循環と渦度
ストークスの定理によって、循環は渦度と以下のように関連付けされる。

ただし、積分経路 C は閉曲線であるだけでなく、面積要素 S の境界 C = ∂S でなければいけない。ここで

は渦度である。
循環と渦定理
以下の定理が成り立つ。
- ケルビンの渦定理 「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、流体とともに動く閉曲線に沿う循環は時間的に不変である。」
- ヘルムホルツの渦定理 ( 英語版 )
「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、渦管は渦管として行動し、かつ、その強さは一定不変である」
- ラグランジュの渦定理 「非粘性バロトロピック流体の保存外力下での流れにおいて、渦は不生不滅である。」
循環と揚力
フレデリック・ランチェスター、 マーティン・ウィルヘルム・クッタ ( 英語版 )、そして、ニコライ・ジュコーフスキーらがそれぞれ独立に、循環の概念を使って揚力を説明した。
非粘性流体の二次元非回転非圧縮流れにおいて、水平方向(x 方向)に一様な速度 U の流れを考える。奥行き方向単位長さあたりの物体にかかる力の鉛直成分(y 成分)、すなわち、揚力 L は物体を囲む閉曲線に沿った循環 Γ と流体の密度 ρ とを使って

で表される。これはクッタ・ジュコーフスキーの定理と呼ばれる。
出典
- ^ a b
巽友正『流体力学』培風館、1982年 4月15日初版発行。ISBN 456302421X 。
- ^ a b
今井功『流体力学(前編)』裳華房、1973年11月25日発行。ISBN 4785323140 。
- ^ a b
P.K. Kundu; I.M. Cohen; D.R. Dowling (2011). Fluid Mechanics Fifth Edition. Academic Press. ISBN 0123821002.