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抗力(こうりょく)Drag(英)は、流体(液体や気体)中を移動する、あるいは流れ中におかれた物体にはたらく力の、流れの速度に平行な方向で同じ向きの成分(分力)である。流れの速度方向に垂直な成分は揚力という。
追い風で水面をかき分けて進んでいる帆船は、空気から進行方向の抗力を、それより弱い逆方向の抗力を水から受けている。また、レーシングカー等ではマイナスの揚力でダウンフォースを発生させている。抗力も揚力もケースバイケースで、その方向が字義通りではない場合がある。
抗力は物体の 相似比 の2乗(あるいは投影面積)に比例する。また、レイノルズ数が小さいときは速度に、大きいときは流体の密度と流速の2乗に比例し、後述する抗力係数 CD を用いて以下のような数式モデルで表されるのが一般的である。このモデルは係数が異なるだけで揚力と同形式である。
ここで
抗力係数 CD は、抗力を動圧 と代表面積 S で 無次元化 したもので、流れに対する物体の 形状 (迎え角)・流体の 粘性 ・流れの速さ(レイノルズ数)、マッハ数によって変化する。
飛行機等の翼(よく)の場合、
いくつかの単純な形状に対する抗力係数を次の表に示す。球体に対する抗力係数については終端速度を参照のこと。
物体形状 | 抗力係数 | レイノルズ数 |
---|---|---|
円柱 | 1.2 | 103 - 105 |
角柱 | 2.0 | > 104 |
半円筒(凹) | 2.3 | > 104 |
半円筒(凸) | 1.2 | > 104 |
楕円柱(長径:短径 = 2 : 1) | 0.6 | 104 - 105 |
半球(凹) | 1.33 | > 104 |
半球(凸) | 0.34 | > 104 |
円錐(頂角60°) | 0.51 | > 104 |
円錐(頂角30°) | 0.34 | > 104 |
抗力(ないし抗力係数)を以下のような成分に分けて考えることがある。誘導抗力については、主翼において翼端のある三次元翼ないしは翼を含む構造物(固定翼機、回転翼機など)、あるいはリフティングボディのように、揚力を発生する物体について考える。
主翼翼端に取付けられたウィングレットは主翼翼端に発生する翼端渦を抑えて誘導抗力を減らすことで主翼の抗力を減少させる効果がある( A350 )
細長い翼をもつグライダー。アスペクト比は20程度
世界記録を持つ人力飛行機、 MIT Daedalus (ダイダロス)。アスペクト比は約38