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混相流(こんそうりゅう、英: multiphase flow)とは、物質の複数の相が混ざり合って流動する現象である。物質の状態に応じて、
などがあり、これらを総称して混相流と呼ぶ。混じりけのない純物質が 自然界 にほとんど存在し得ないことを考えると、我々の周りの流体は全て混相流であると言うこともできる。
また、 有機溶剤 による地盤汚染問題などでは、厳密には地盤内の間隙に間隙水、空隙、有機溶剤の3種類の物質がそれぞれの形態で存在するため、多相流現象と呼ばれることがある。一般に、流体力学では混相流、 地盤環境工学 では多相流 (Multi-phase flow) と呼ばれることが多いようである[ 要出典 ]。
混相流としての物質の性質は、各相それぞれの物性のみならず、混ざり方によっても異なるものとなる。同じ気液二相流でも、片方の相が 微粒子 の形態をとりコロイドとなっているものと、両相ともある程度の大きさを持ち、界面がはっきりしているものでは、 物理 的振る舞いが異なる。そのため、理論的考察は非常に難しい。
地盤内における多相流問題は、気液二相流問題と異なり、流体の輸送速度が非常に遅い点が特徴である。有機溶剤は難水溶性溶液と呼ばれることもあり、通称NAPL (Non-Aqueous Phase Liquid) と称される。その中で、水よりも比重が小さいものと大きいものに分類され、重いものを Dense-NAPL (DNAPL)、軽いものを Light-NAPL (LNAPL) と称される。
例えば、DNAPLの代表はトリクロロエチレンで、地表面で漏出した場合、地下水層よりも下に貯留し、地下水の流れの影響を受ける挙動は混相流(あるいは多相流)として扱われる。また、LNAPLの問題は、地表面でガソリンなどが漏出した場合に相当し、地下水表面に貯留されて地下水の流れの影響を受ける。DNAPLが地盤底部(不透水層)において貯留後に生じる挙動は、基本的に地下水下の挙動であるために、地盤条件は飽和状態とみなすことができる。しかし、LNAPLの場合、地下水上面に貯留するため、地盤条件は厳密には不飽和状態になる。この場合、LNAPLの挙動は水とLNAPLの挙動に加えて、厳密には気化したガスの挙動を考慮する必要があり、そのメカニズムは複雑となる。力学的には、数理モデルが構築されているが、実験と整合性については今後追求の余地があるといえる。